楕円チェーンリングはより効率的なペダリングを実現するパーツです。
現在様々なメーカーからこの楕円チェーンリングが開発・販売されています。それぞれ、人間の駆動を如何に効率的にパワーに変えるかということを突き詰めた工夫が凝らされています。
「これから楕円チェーンリングを試してみたい」という方は、どのメーカーから手を出して良いのか迷ってしまうかもしれません。
今回は、人気でおすすめの楕円チェーンリングのメーカー3選を紹介します。是非参考にしてみてください。
Contents
ROTOR(ローター)『Q-RINGS』
早くから楕円チェーンリングとしての実績がある
※ROTOR公式サイトから抜粋
ROTOR(ローター)は楕円チェーンリングを開発しているメーカーの中でもトップブランドの1つです。その背景には、トッププロチームへのサポートとそのサポートを受けた選手の実績があります。
ちなみに、私の一押しもこのROTORが開発する『Q-RINGS』です。
2008年ツール・ド・フランスで個人総合優勝を獲得したカルロス・サストレ、2011年ブエルタ・ア・エスパーニャで同じく個人総合優勝を獲得したファンホセ・コーボ、2013年ロードレース世界選手権を制したルイ・コスタなど、数々の輝かしい実績をサポートしてきたのがROTORなのです。
当時彼等は、ROTOR製の楕円チェーンリング・『Q-RINGS』と『3Dクランク』を愛用して勝利を掴み取ってきました。ROTORは製品の信頼性が非常に高いメーカーと言えるでしょう。
変速性能が比較的良い
ROTORの『Q-RINGS』は、他の楕円チェーンリングと比較して変速性能が良いと言われています。楕円率が大きくないため、変速の失敗やチェーン落ちが起きにくいのです。
ラインナップが豊富でパーツとの互換性が高い
また、ROTORはパーツとの互換性が考慮されているため、基本的に他のパーツはそのままで使用することが可能です。(※変速機の調整は当然必要になります。)
『Q-RINGS』のラインナップは豊富で、クランクアーム数やPCDごとに細かく分けられています。自分が今使っているパーツに合わせて選択することができるのです。換装の際の手間がかからないのも1つのメリットと言えるでしょう。
※ROTOR公式サイトより抜粋
OCPシステムでポジション調整が可能
ROTORの『Q-RINGS』には〝OCP〟というシステムがあります。このシステムによって、自分のポジションに合わせた細かい調整をすることができます。
ROTORのチェーンリングにはクランクアームを固定するクランクボルトの穴が複数開いています。それぞれ1~5番の数字が振られています。基準となるのはまず3番です。ここに取り付けることで4時の位置で最もギアがかかるセッティングになります。
しかし、サドルの前部に座る前乗りや、逆にサドルの後ろに座る後ろ乗りなど、人によってポジションは様々です。
前乗りポジションの場合、楕円でギアのかかりやすくなる最もおいしい部分が、4時の位置より下死点寄りの奥の位置に来てしまいます。
ペダリングのピークが4時の位置より奥に来てしまっていると感じたら、クランクボルトの番号を4~5番に調整してみましょう。
後ろ乗りポジションの場合、楕円のおいしいポイントが4時の位置より上の位置に来てしまいます。
ペダリングのピークが4時の位置より手前に来てしまっていると感じたら、クランクボルトの番号を1~2番に調整してみましょう。
RIDEA(リデア)
楕円のおいしいポイントが広い
RIDEAの人気はROTORにも匹敵します。ROTORと比較して、RIDEAの方が価格が安めです。
RIDEAの特徴の1つは、おいしいポイントの範囲が広いと言うことです。ギアのかかりやすくなるポイントが40度の範囲で設定されています。ちなみにROTORは10度の範囲でピンポイントです。
※RIDEA公式サイトより抜粋
このことから、RIDEAのチェーンリングは比較的ペダリングがしやすいと言えます。また、ギアのかかる範囲が広いので、ダンシングによる加速に向いていると言えます。
アウター・インナーそれぞれでギアのかかるポイントが調整されている
さらに注目すべきは、インナーチェーンリングです。
RIDEAのインナーチェーンリングは、ギアのかかりやすくなるポイントがアウターよりも奥にずらされています。登りでインナーを使用することを想定して、傾斜においても4時の位置でしっかりとおいしいポイントを踏めるように作られているのです。
RIDEAは平坦と登りでペダリングのポイントが変わる違和感を解消してくれます。
O.SYMETRIC(オーシンメトリック)
フランスでは定番となる楕円チェーンリングのメーカーです。
やはり、ツール・ド・フランスの覇者であるクリス・フルームが使用していたことで有名でしょう。
楕円率が大きいのが特徴です。人間の駆動とチェーンリングに伝わる力を如何に効率化するかを突き詰めた結果、かなりいびつな形に仕上がっています。
ひたすら一定でペダルを回し続けるライダーに適した楕円チェーンリングです。
まとめ
- ROTORは実績のある信頼性の高いメーカー
- ROTORは楕円の中では変速性能が良く、ラインナップが豊富でパーツの互換性も高い。
- RIDEAは楕円でパワーのかけやすいポイントが広い。
- RIDEAは登りでの使用を計算して、インナーで力をかけやすいポイントが調整されている。
- O.SYMETRICはクリス・フルームが使用したことで有名。
- O.SYMETRICはペダルを一定で回し続けるライダーに適している。
以上、おすすめの楕円チェーンリング3選を紹介しました。これから楕円を試したいという方は是非参考にしてみて下さい。