【ロードバイク・機材】楕円チェーンリングって結局何がいいの?デメリットはある?

楕円チェーンリングがもたらす効果について、みなさんは理解できていますか?

何となく画期的で〝良いもの〟というイメージはありますが…具体的に何が良いのかいまいち分からない人も多いのではないでしょうか。

楕円のメリット、そしてデメリットをしっかりと理解できていない状態では、実際に自分で試してみることがためらわれると思います。

今回は、楕円チェーンリングのメリット・デメリットについて解説します。「楕円が気になっている」、「これから楕円に挑戦してみよう」という方は是非参考にしてみて下さい。

楕円チェーンリングとは

楕円チェーンリングとはその名の通り、チェーンリングの形が真円ではなく楕円形に作られているものです。

従来のチェーンリングは基本的に全て真円で作られていましたが、近年この楕円形チェーンリングが開発され注目を集めてきました。

楕円チェーンリングと言えば、数々のグランツールのレースで総合優勝を獲得してきたChris Froome(クリス・フルーム)が使用したことでも話題です。ちなみに彼の使用していた楕円チェーンリングはO.SYMETRIC(オーシンメトリック)というメーカーのものでした。

O.SYMETRIC チェーンリング
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世界のトッププロ選手も使用する楕円チェーンリング――そのメリットとデメリットについて以下で解説します。

楕円チェーンリングにするメリット

効率の良いペダリングがしやすくなる

ペダリング時に最もパワーが出やすいのは、クランクを踏み込む4時あたりの位置だと言われています。

一般的な真円チェーンリングは、一周のギアの歯数が一定になるように作られています。一方で円チェーンリングの場合は、この4時の位置に当たる部分で歯数が多くなり、ギアが重くなるような構造になっているのです。

反対に、下死点から引き足を使うポイントではギアが軽くなるように作られているので、パワーが出にくいポイントをより少ない力で通過することができます。

この構造によって、パワーが出やすい踏み足のポイントでは力をかけやすく、比較的パワーが出にくい下死点から引き足を使うポイントでは力をセーブすることが可能となります。

つまり、楕円チェーンリングを使用することで、理論上〝効率の良い〟ペダリングが実現するわけです。

〝踏み足〟に集中できる

よく効率的なペダリングに重要と言われるのが引き足です。しかし、引き足をうまく使ってペダリングを円運動に近づけるのはプロでも難しいところ。

楕円チェーンリングでは、引き足がうまく使えなくてもより効率的なペダリングが可能となります。

楕円チェーンリングはペダリング時の〝踏み足〟のポイントに当たる位置で力をかけやすくなっています。さらに、下死点から引き足を使うポイントを軽いギアで素早く通過できるようになっているので、〝踏み足〟に集中してペダリングをすることができるのです。

楕円によるペダリングの効率化に関して、実際に真円と比較して数値的な効果が見込めるのかについては曖昧なところです。ペダリングには当然個人差があり、真円と楕円でもペダリングの仕方は異なってきます。単純な比較が困難なのです。

楕円チェーンリングは効率的なペダリングを〝補助〟するものと捉えるのが良いでしょう。

ペダリング時の疲労軽減

楕円チェーンリングの構造上、下死点から引き足を使うポイントを素早く通過できるため、より高回転のペダリングがしやすくなります。よって乳酸がたまりにくくなります。

また、引き足のポイントにおける無駄なパワーを節約できるので、ペダリング時の疲労軽減が見込めます。

楕円チェーンリングにするデメリット

フロントディレイラーの変速調整がシビアになる

楕円チェーンリングにするとフロントディレイラーの調整がシビアになるというデメリットがあります。

うまく変速調整しなければ、アウターに持ち上がらなかったり、チェーン落ちしてしまったりという問題が発生します。また、真円とは異なり横長な形状に成るので、メーカーの楕円率によってはフロントディレイラーの位置も調整する必要が出てきます。

手間はかかりますが、楕円に交換する際はまずプロショップなどに相談して、互換性の確認や変速調整をしっかりと見てもらうことをおすすめします。

チェーン落ちのリスクが上がる

楕円チェーンリングの動きは真円のように一定の円を描くことができないので、フロントの変速がうまくいかないとチェーン落ちしてしまいます。

私も実際に使用したことがありますが、特にトルクがかかっている時に変速しようとするとチェーン落ちすることが多かったように感じます。

楕円を使用した場合、フロントの変速の際には感覚的にタイミングのコツをつかむことが必要となるでしょう。

人によっては効果を得られない場合がある

楕円チェーンリングを使用する場合、当然真円のチェーンリングとは異なるペダリングが求められます。

今まで真円に慣れてきた人にとっては、かえってうまくペダリングができないことがあるでしょう。

また楕円の構造上、ペダリングは下死点でパワーが抜けていく感覚になります。よって、ダンシングやスプリントなど体重を乗せて下死点まで踏み抜くペダリングを要する場合、むしろ楕円の方が力をかけにくくなる可能性があります。

自分の脚質やペダリングのタイプによって、楕円チェーンリングが必要かそうでないかを見極める必要があります。

まとめ

  • 楕円を使うことで4時の位置で力をかけやすく、効率的なペダリングが可能となる。
  • 〝踏み足〟に集中してきれいなペダリングをすることができる。
  • 下死点から引き足を使うポイントで力をセーブしながら回せるので、乳酸がたまりにくく疲労軽減に繋がる。
  • フロントディレイラーの調整がシビアになる。
  • トルクをかけながら変速するとチェーン落ちのリスクがある。
  • それぞれ脚質やペダリングに違いがあるため、人によっては効果を体感できない場合がある。

以上、楕円チェーンリングのメリット・デメリットについて解説しました。一長一短ある楕円ですが、ハマればかなり効率的なペダリングを実現することができるでしょう。一度試してみることをおすすめします。

各メーカーの違いに関してはコチラの記事を参照ください→楕円チェーンリングのメーカーおすすめ3選―各メーカーの特徴も解説!! 

ちなみに私のおススメはROTORのQ-RINGSです。

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