ホイールのリムは素材によって異なります。例えば、アルミホイールであればリムはアルミ、カーボンホイールであればリムはカーボンです。カーボンホイールであっても、クリンチャータイプであればリムだけアルミという場合もあります。
リムの素材によって、それぞれに対応するブレーキシューがあります。そのリムに適したブレーキシューを使用しなければ、十分な制動力を発揮できなかったり、リムを傷める原因となったりします。
初めてカーボンホイールを購入するという方は要注意。リムの素材に合わせて専用のブレーキシューの購入を忘れてはいけません。
今回はブレーキシューの種類について解説します。正しい知識を身に着けて、ホイールやブレーキのトラブルを起こさないようにしましょう。
Contents
ブレーキパッド=ブレーキシューの役割
ブレーキパッドの役割とは、ずばり、ブレーキ時による車体の制動力を生み出すことにあります。
ロードバイクの場合は、ブレーキシューという呼び方のほうが馴染み深いかもしれません。
ブレーキシューは主にキャリパー式のブレーキに使用されます。キャリパー式の場合、ホイールのリムを左右のブレーキシューで挟み込むことで制動力を生み出します。
公道でのサイクリングやロードレースにおいては、信号でのストップ、コーナー・下り坂での減速など、ブレーキシューが活躍する場面は多々あります。ロードバイクに乗る上で、ライダーの命を預けるパーツの1つと言って過言ではないでしょう。
ブレーキシューの種類
カーボン用のブレーキシュー
カーボンリムに対しては、カーボン専用のブレーキシューを使用しましょう。
カーボンはその素材の特性上、熱に弱く変形しやすいものです。また、放熱性が悪いので専用シューを使わなければ制動力も低下してしまいます。
カーボンホイールの変形を防ぎ、且つ適切な制動力を得るためには、発熱を抑制する設計で作られた専用のカーボンブレーキシューを使用する必要があるのです。
特にダウンヒルではブレーキの頻度が高くなるので要注意です。ヒルクライムレースなどでは、最後のダウンヒルで決戦用のカーボンホイールが変形したという実例がしばしば起こっています。
また、ホイールメーカー推奨の専用シューを使用することが最も望ましいでしょう。シマノ製のホイールであれば、同じシマノ製のカーボンリム用ブレーキシューを使用した方が安心です。
アルミ用のブレーキシュー
アルミリムの場合も専用のブレーキシューを使用することが好ましいです。
アルミ用のシューは硬いゴム素材で作られているので、頑丈なアルムリムに対しても削れにくく、十分な制動力を発揮することができます。
また、アルミリムの場合は熱による変形の心配がほとんどなく、放熱性にも優れているので、カーボンリムと比較するとブレーキの効きが良いことが多いです。
アルミリムのブレーキシューに対してはあまり神経質にならなくても良いでしょう。ホイールメーカーと異なるブレーキシューでも、制動力が確保できていれば問題ありません。
コルク素材のブレーキシュー
カーボンリムに対してはコルク素材のブレーキシューがおすすめです。
カーボン専用のブレーキシューの素材には、ゴム、コルク、ゴムとコルクのハイブリッドがあります。コルクはゴムよりも柔らかく放熱性に優れているため、リムを傷めにくい素材です。音鳴りしにくく、リムとシューが摩擦によって削れにくくなります。
一方、コルク素材のシューはゴム素材のものよりも制動力がやや低下します。通常の使用においては問題ないレベルですが、ホイールとの相性を見極めて使用する必要があるでしょう。
コルク素材のブレーキシューの中では「CORIMA(コリマ)」製のものが有名です。コルク素材は通常のゴム素材よりも高価になるので、お財布と相談する必要もありそうです。
アルミ用のブレーキシューをカーボンリムに使用するのはNG!!
アルミ用のブレーキシューをカーボンリムに使用するのは避けてください。
カーボン専用のブレーキシューを使用しなければ、カーボンリムの発熱を抑えきれず変形してしまいます。また、制動力が著しく低下します。雨の場合、アルミ用のブレーキシューではほぼ止まれないと思ってください。
アルミ用のシューは硬いゴム素材で作られているため、リムが削れて傷みやすくもなります。さらに、アルミリムに使用したブレーキシューのままでカーボンリムに履き替えた場合、そのブレーキシューに付着した細かいアルミ片がカーボンリムを傷つけます。
手間はかかりますが、カーボンリムのホイールに履き替えるときはブレーキシューも専用のものに付け替えましょう。
カーボン用のブレーキシューをアルミリムに使用するのは…?
カーボン用のブレーキシューをアルミリムに使用する場合、制動力の面では比較的問題はないと言えます。
アルミリムは熱に強く変形しにくいので、カーボンシューの使用によるその心配は特にありません。
しかし、アルミリムに使用したブレーキシューをそのままカーボンリムにも使用すると、シューに付着したアルミ片がリムを傷めてしまいます。よって、あまりおすすめはしません。
まとめ
- ブレーキシューはリムを挟み込むことで制動力を生み出す重要なパーツ。
- リムの素材によってそれぞれ専用のブレーキシューが必要。
- ブレーキシューは主に、アルミリム用・カーボンリム用・コルク素材(主にカーボンリム用)の3種類に分けられる。
- アルミリム用のブレーキシューをカーボンリムに使うと、適切な制動力が得られず危険。
- カーボン用のシューをアルミリムに使用すると、アルミ片が付着してカーボンリムを傷つけてしまうので注意。
以上、ブレーキシューの種類について解説しました。リムの素材を考慮して、適切なシューを使用するようにしましょう。
ブレーキシューはSWISS STOPがオススメ!ホイールメーカーも純正で採用する品質です!