ここ最近のトレンドでエアロフレームが目立つようになってきましたが、機材にうるさいサイクリストにとっては結局どっちがいいのよ!?っていうことで私の目線で分析してみました。
先に答えを言ってしまうと、平均勾配6%超えのヒルクライムレースで入賞を狙うバリバリのレーサー以外はエアロロード買いましょう!という結論に至りました。
キャノンデールの最新モデル”SYSTEMSIX”vs”SUPERSIX-EVO”での空力学的分析記事にもあるように、パワーウェイトレシオ4w/kgの人は勾配6%を超えるまではSYSTEMSIXの方が速いよ!と言ってます。
ここで機材重量を加味したパワーウェイトレシオという視点で深堀してみたいと思います。
Contents
機材重量を加味したパワーウェイトレシオ
ここで体重と機材重量、および機材重量を加味したパワーウエイトレシオの関係についてまとめてみます。
まず、ライダーのパワーウェイトレシオ(以下P/W)を3w/kgと仮定します。
この時の車両重量と体重、パワー絶対値、機材重量を加味したパワーウェイトレシオは下表の通りです。
| P/W=3 | 機材重量を加味したパワーウエイトレシオ | |||||||
| パワー絶対値→ | 150 | 165 | 180 | 195 | 210 | 225 | 240 | |
| 体重→ | 50 | 55 | 60 | 65 | 70 | 75 | 80 | |
| 機材重量 | 6 | 2.68 | 2.70 | 2.73 | 2.75 | 2.76 | 2.78 | 2.79 |
| 6.1 | 2.67 | 2.70 | 2.72 | 2.74 | 2.76 | 2.77 | 2.79 | |
| 6.2 | 2.67 | 2.70 | 2.72 | 2.74 | 2.76 | 2.77 | 2.78 | |
| 6.3 | 2.66 | 2.69 | 2.71 | 2.73 | 2.75 | 2.77 | 2.78 | |
| 6.4 | 2.66 | 2.69 | 2.71 | 2.73 | 2.75 | 2.76 | 2.78 | |
| 6.5 | 2.65 | 2.68 | 2.71 | 2.73 | 2.75 | 2.76 | 2.77 | |
| 6.6 | 2.65 | 2.68 | 2.70 | 2.72 | 2.74 | 2.76 | 2.77 | |
| 6.7 | 2.65 | 2.67 | 2.70 | 2.72 | 2.74 | 2.75 | 2.77 | |
| 6.8 | 2.64 | 2.67 | 2.69 | 2.72 | 2.73 | 2.75 | 2.76 | |
| 6.9 | 2.64 | 2.67 | 2.69 | 2.71 | 2.73 | 2.75 | 2.76 | |
| 7 | 2.63 | 2.66 | 2.69 | 2.71 | 2.73 | 2.74 | 2.76 | |
| 7.1 | 2.63 | 2.66 | 2.68 | 2.70 | 2.72 | 2.74 | 2.76 | |
| 7.2 | 2.62 | 2.65 | 2.68 | 2.70 | 2.72 | 2.74 | 2.75 | |
| 7.3 | 2.62 | 2.65 | 2.67 | 2.70 | 2.72 | 2.73 | 2.75 | |
| 7.4 | 2.61 | 2.64 | 2.67 | 2.69 | 2.71 | 2.73 | 2.75 | |
| 7.5 | 2.61 | 2.64 | 2.67 | 2.69 | 2.71 | 2.73 | 2.74 | |
| 7.6 | 2.60 | 2.64 | 2.66 | 2.69 | 2.71 | 2.72 | 2.74 | |
| 7.7 | 2.60 | 2.63 | 2.66 | 2.68 | 2.70 | 2.72 | 2.74 | |
| 7.8 | 2.60 | 2.63 | 2.65 | 2.68 | 2.70 | 2.72 | 2.73 | |
| 7.9 | 2.59 | 2.62 | 2.65 | 2.67 | 2.70 | 2.71 | 2.73 | |
| 8 | 2.59 | 2.62 | 2.65 | 2.67 | 2.69 | 2.71 | 2.73 | |
これをグラフにしてみると
機材が重くなると機材を加味したP/Wが下がっていくのがわかります。ここではまだなんのこっちゃ??ですね。
では、レースをされる方にはレギュレーションが絡んできて、6.8kgの下限値がネックになってきますので、6.8kgの機材と7.5kgの機材を比較してみましょう。
軽量機材vsエアロ機材 パワーウエイトレシオの差分
各体重のライダーが軽量機材とエアロ機材を乗り換えたときの機材重量込みのP/W差分を数値&グラフにまとめます。
| 機材込みP/W | 体重 | ||||||
| 機材重量 | 50 | 55 | 60 | 65 | 70 | 75 | 80 |
| 6.8 | 2.64 | 2.67 | 2.69 | 2.72 | 2.73 | 2.75 | 2.76 |
| 7.5 | 2.61 | 2.64 | 2.67 | 2.69 | 2.71 | 2.73 | 2.74 |
| P/W 差分 6.8kg vs 7.5kg | 0.032 | 0.030 | 0.028 | 0.026 | 0.025 | 0.023 | 0.022 |
| P/W差分のパワー換算 | 4.82 | 4.93 | 5.03 | 5.11 | 5.19 | 5.25 | 5.31 |
いかがでしょう?
体重が重い人ほど、軽量機材とエアロ機材でのP/Wの差が小さくなっていきます。これは体重に占める機材の重さの割合が小さくなるためです。
さて、ではこの例はP/Wが3kg/wの時、という仮定ですが、ここにP/Wが4,5kg/wの場合を重ねてみます。
ここで各P/Wのライダーのステータスについては下記を想定しています。
- P/W=3:一般サイクリスト
- P/W=4:レース志向サイクリスト
- P/W=5:国内トップカテゴリレーサー
トレーニングを積んで強くなればなるほど、機材重量の影響が大きくなって行くのがわかります。
では、このP/W差分をパワーに換算してみましょう。
機材重量込みP/W差分のパワー換算
絶対値に直すと、65kgのライダーを見てみると、5W(一般サイクリスト)~14W(トップカテゴリレーサー)しか差が出ないのです。
しかも、これは登りに限定した状況です。
例えるなら、体重65kg、3w/kgのサイクリストはヒルクライムにおいて、エアロフレームから軽量フレームに乗り換えると、疑似的にFTPが5W向上したことと同じ効果が得られます。
そして、5Wというのは誤差のレベルです。
コースプロフィール
あなたが想定するライドコースのプロフィールはいかがでしょうか??
永遠と登りばかりのコースでしょうか?
そんなことはなく、ヒルクライムに特化しない限りは平たん路を含むコースプロフィールになるはずです。つまり、軽量機材の恩恵(しかも誤差レベル)を受けられる頻度はほとんど無いのです。
エアロ効果
ではエアロ効果で受けられる恩恵はいかほどでしょうか?
様々な実験データが公開されていますが、ノーマルフレームからエアロフレームに乗り換えると、だいたい40km/h巡行時に15Wほどのパワーが削減できます。
つまり、エアロロードに乗る方が、先ほどの登りで得られる軽量機材の恩恵よりも大きいのです。
まとめ
- 体重が軽く、パワーウェイトレシオが高い人ほど、軽量機材の恩恵を受けることができる。(ただし登りのみ)
- 受けられる恩恵の絶対値はたかだか5W~15Wで、展開次第で吹き飛んでしまう誤差の範囲
- しかもその恩恵は平たん路でエアロロードで得られる恩恵の方がでかく、また頻度を考えてもエアロロードが有利
- トップカテゴリの選手が登りで仕掛けて、あとFTPが15W高ければ!という局面以外は軽量機材に価値がない
- 同じエアロロードなら軽いほうが有利なのは間違いない

